2021年1月号掲載

未来を見る力

企業戦略・戦略論スキル・能力開発社会・政治
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著者紹介

概要

少子高齢化と人口減少。国家を消滅させかねないこの問題に、これまで日本は有効な対策を講じてこなかった。もはや猶予はない。「戦略的に縮む」発想で、人口減を前提とした社会に転換することが必要だ。人口問題の専門家が、コロナ禍が突き付けた課題も踏まえ、今後、社会に訪れる変化をチャンスに変えるための思考法を説く。

要約

令和の時代はどうなるか

 21世紀を展望すると、日本にとっての最大の課題は「人口減少」である。国家の消滅につながる大問題だからだ。

 そんな未来において、日本が「豊かな国」として歩み続けるには何が必要か? 私が至った結論は、「戦略的に縮む」という考え方だ ―― 。

少子化は決して止まらない

 日本の2019年の年間出生数は、過去最少の86万5234人である。一方、年間死亡数は戦後最多の138万1098人。前年比の減少幅は51万5864人だ。だが、この減少幅はまだ序の口である。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2040年代に入ると毎年約90万人の規模で減っていく。

 では、人口減少はどこかで収束するのか。根本的な解決策としては子供が多く生まれる社会を取り戻すしかないが、それは簡単なことではない。

 真に深刻なのはむしろ「未来の母親」が減ることである。現在、子供を産んでいる女性の多くは25~39歳だ。この年齢層の女性人口は、2015年を基準に推計すると、2040年は4分の3、2060年代半ばには約半分の水準に減る。すなわち、少子化は止まらず、人口減少は収束しない。

日本最大の小売店もいつ消えるかわからない

 少子高齢化と人口減少によって、日本の社会はどのように変わっていくのか。

 例えば、大型ショッピングセンター。その将来を垣間見る象徴的な出来事が2019年に富山県で起こった。業界最大手イオンの「イオンモール高岡」が増床オープンする際、テナントが新規のアルバイト店員を思うように集められなかったのだ。

 これは、地域内の働き手世代が減っているということである。働き手世代は消費者の中心層でもあるので、その層が薄くなっているということは、店舗を維持するのに最低限必要となる顧客数の獲得が今後困難になっていく、ということだ。

 すなわち、店舗数を増やしたり、売り場面積を拡大したりして売上高を増やしてきたモデルが転換点を迎えたということである。

ネット通販が届かなくなる理由

 もう1例挙げよう。ネット通販は、人口減少で実際の店舗が減った地域に住む人々にとっては、それこそ命綱ともなっている。また、高齢者など「買い物弱者」対策としても、ネット通販への期待は高まっている。

 しかし、ネット通販が日本で発展し続けるには致命的な課題がある。ドライバーを十分に確保できないため、配送が簡単にいかないのである。

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