2018年11月号掲載

一流ビジネススクールで教える デジタル・シフト戦略 テクノロジーを武器にするために必要な変革

Original Title :Leading Digital

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著者紹介

概要

製造やサービスなど、テクノロジーを生業としない業界にあって、デジタル化の推進によりビジネスを変革し、優れた業績を上げている企業 ―― 。このような企業を、本書は「デジタルマスター」と命名。彼らはいかにして、デジタルマスターになり得たのか。その戦略とフレームワークを、多数の事例を交え明らかにする。

要約

「デジタルマスター」とは何か?

 私たちは過去3年間にわたって、世界中の多くの業界で、企業がデジタル技術とどのように関わっているかを調査してきた。

 そして、最も重要な結論として到達したのが、「デジタルマスター」と呼ぶべき企業が存在する、ということだ。

 つまり、デジタル技術を使って、高い利益や生産性、業績を実現している企業が存在するのだ。ただし、その数はごくわずかである。

テクノロジーを生業としない企業に注目する

 アップルやアマゾンのような巨大企業、そしてサンフランシスコの新興企業は、テクノロジーを非常にうまく使う。しかし、これは私たちが言うデジタルマスターではない。彼らはテクノロジーを生業とする企業であり、研究の対象外である。

 私たちは、経済の90%以上を占めるテクノロジーを生業としない企業が、ICT(情報通信技術)のイノベーションをどう利用しているのかを明らかにしたかった。そこで、金融、製造といった業界の、世界の大企業を調査した。

 すると、デジタルマスターは、様々な業界や分野に見られた。彼らは競合企業より優れた業績を上げている。収益力は業界平均よりも26%高く、既存の製品やプロセスもより効率的だった。

デジタルマスターの2つの能力

 調査により、デジタルマスターは、次の2つの能力に優れていることがわかった。

①デジタル能力(どのようなテクノロジーを持つのかという部分)

②リーダーシップ能力(どのようにして変化を導くのかという部分)

 2つとも、デジタルマスターになる上で非常に重要な能力であり、それぞれが独自の役割を持っている。ただし、どちらの能力も1つだけでは部分的な強みしか得られない。2つが組み合わさることで、デジタルマスターは競合企業に対して明らかな優位性を築けるのである。

 

デジタル能力

 デジタルマスターは、「テクノロジーとは自分たちのビジネスのやり方を変える方法」だと捉えている。彼らにとって、ソーシャルメディア、モバイルなどのテクノロジーは、顧客をより良く理解し、社員に力を与え、社内の業務プロセスを変革するための道具なのだ。

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