人口と日本経済

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著者紹介

概要

少子化に伴う人口減少で、日本経済の衰退は避けられない ―― 。こうした悲観論を一蹴する。先進国の経済成長のカギは、人の数ではなく、イノベーション。世界有数の長寿国であるわが国には、多くのチャンスがあると指摘。人口を経済学の視点から捉え直し、財政危機や人工知能の発達等々、日本経済の本当の課題に斬り込む。

要約

日本の人口

 「人口問題」、これは21世紀の日本にとって最大の問題である。

 2012年1月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、日本の人口は2110年に4286万人になる。

 2015年の人口は1億2711万人だから、これから100年でわが国の人口は約3分の1にまで減少する。これほど大きな人口の変化は、日本の経済・社会に大きな影響を与えるに違いない。

 人口調査の歴史を見ると、奈良時代の中央政府は、日本の全人口を把握していた。わが国では7世紀末、持統天皇の時から全国の戸籍が6年ごとにつくられ、氏名、年齢、性別、家族関係まで詳しく記した文書が、国司(地方官)から中央の中務省と民部省へ送られていた。

 だが、9世紀になると、戸籍は12年ごと、数十年に1度となり、やがて10世紀に途絶した。その後、全人口調査は明治になるまでなされなかった。

 日本の人口については、歴史人口学の専門家による優れた解説書も存在する。鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』によると、江戸時代に入って最初の100年、17世紀には人口が大きく増えたが、18世紀に入り、8代将軍徳川吉宗の享保時代から幕末まで人口は停滞した。

 そして、明治になってからは、再び爆発的と言えるほどのハイペースで人口が増加した。

 しかし、1920年代に入ると、都市部から少子化が始まる。終戦直後(1947~49年)は一時的に人口爆発が起き、いわゆる「団塊の世代」が生まれたが、人口の増加率は1975年以降、急速に低下し、2004年の1億2779万人をピークに、日本はついに人口減少時代に入った。

 過去にも人口の微減はあったが、100年で3分の1というように人口が激減した時代はない。我々は、これから100年、文字通り歴史上、人類が経験したことのない人口減少の時代に突入する。

 

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