2014年2月号掲載
選ばれる理由 どうしても売上と利益が増えてしまう心理マーケティング
著者紹介
概要
世の中には数多くの商品・サービスが溢れ、消費者の選択肢は無数にある。そうした中、自社の商品・サービスを選んでもらうためのカギとなるもの。それはズバリ、「理由」である。人は理由があれば行動し、理由が伝われば選ぶ。「選ばれる理由」をいかにつくり、どう伝えればよいか、数千人の経営者と交流してきたコンサルタントが、企業事例を挙げつつ紹介する。
要約
「選ばれる理由」のつくり方
世の中には、多くの人を惹き付ける商品もあれば、誰からも相手にされない商品もある。高額でも飛ぶように売れていく商品もあれば、いくら値段を下げても買ってもらえない商品もある。
実は、この大いなる差を生み出す根源が「理由」なのだ。
私たちは「理由があれば行動する」。この当たり前の事実をビジネスの視点から眺めてみると、私たちが何かに対して「お金を払うという行動」にも理由があるということだ。
従って、その「お客様が買う理由」を深く理解して、会社の魅力を輝かせれば、必然的にお客様から選ばれるようになる。
人は理由があれば行動する。そして理由が伝われば選ばれる。だから、「選ばれる理由」をこちらが用意するのだ。
選ばれる「ウリ」がないから、「値段」に目が行く
お客様は、他の商品と比較して、自分にとっての便益が感じられる「ウリ」が伝わってこないと、「違いがないのであれば、より安価なものを選ぼう」という心理が働く。
お客様により高い値段で買っていただきたいなら、まずあなたの会社が持っていて、お客様が価値を感じるウリに気づき、そのウリをお客様が「選ぶ理由」となるように伝えることだ。
「あなたの会社の“ウリ”を30秒で述べてください」
こうお願いすると、経営者がよく使う言葉がある。「当社は技術力が高く…」「当社は営業力に優れており…」「汎用性の高い製品で…」等々。
ところが、それを聞いたお客様の頭には「?」が浮かぶ。どこがどう凄いのか、他社と比べてどう優れているのかが、「○○力」といった不明確な言葉では伝わらない。
「○○力」「○○性」という表現を、「言い換え」「噛み砕き」をする必要がある。