2013年9月号掲載

ピーター・ドラッカー マーケターの罪と罰

Original Title :Drucker on Marketing:Lessons from the World's Most Influential Business Thinker

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著者紹介

概要

“現代経営学の父”、P・F・ドラッカーは、その論文や著書において、マーケティングについても多く論じている。本書は、それを彼の教え子である著者が丹念に調べ上げ、マーケティングに対するドラッカーの見解を体系的にまとめたものだ。IBMなど多くの企業事例を交えつつ、ドラッカーがマーケティングについて発見し、推奨してきた概念や原理をわかりやすく説く。

要約

企業の目的は利益を上げることではない

 私はピーター・ドラッカーの生徒だった時、彼が奇妙なことを言うのを何度も聞いた。その中でも、「企業の目的は利益を上げることではない」という発言は特に奇異な言葉だった。

 実際、ドラッカーが登場するまで、ほとんどの人は、企業の目的は金を稼ぐことだと信じていた。

 この考えは自ずと、もう1つの神話に帰結する。すなわち、「企業の最終目標は利益の最大化である」という説だ。

 ドラッカーは我々に、利益は企業の目的ではなく、利益最大化という概念は無意味なだけでなく危険であると説いた。採算性の確保は必要だが、採算性とは必ずしも利益の最大化ではないという。

 利益最大化と採算性の見かけ上の矛盾は、全てのマーケターが理解しなければならないことだ。

利益は酸素と同じである

 利益と採算性は絶対必要条件である。組織は利益なしには存続し得ない。

 ただし、これは、企業にとって、利益が基本的な目的だということを意味するわけではない。

 ドラッカーは、次のように主張している。

 さらに我々はここに、企業の目的は、企業と社会の双方に恩恵をもたらす成功を収めることだと付け加えてもいいかもしれない。つまり、利益は必要だが、企業の目的ではないのだ。

 なぜ、利益は必要なのか。企業にとっての利益は、人体にとっての酸素のようなものだからだ。酸素があってこそ、人体は生存し、成長できる。