2012年1月号掲載

「赤字」の海と「利益」の小島 事業の4割は不採算なのに改善しないワケ

Original Title :Islands of Profit in a Sea of Red Ink

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著者紹介

概要

「赤字の海の中に、利益の小島がいくつか頭を出している」。これが大半の企業の実態だと著者は言う。つまり、ほとんどの企業では、黒字の事業は2、3割しかなく、この黒字事業の利益が、4割もある不採算事業の赤字の穴埋めに使われている、と。こうした現状を、いかにして改善すべきか。本書は、既存事業からもっと利益を引き出すための具体策を提示する。

要約

「プレシジョン・マーケット」の時代

 「赤字の海の中に、利益の小島がいくつか頭を出している」。これが、今の企業の実態だ。

 ほぼ全ての企業で、全事業の40%近くが不採算である。わずか20~30%の事業が企業利益の全てを稼ぎ出して、赤字事業の損失を埋めている。

 この状況に最初に気づいたのは、ある大手研究資材販売会社のコンサルティングをした時だった。それ以来、医療用品メーカー、通信会社、製鉄会社など様々な業界の大企業を調べたが、どこでも状況は同じだった。

 なぜ、こういう状態が頻繁に見られるのだろう。

 どの企業でも、誰もが利益に注目している。しかし、日々、体系的に収益性を管理するプロセスをもっている企業はほとんどない。

 経営幹部が利益計画を作り、各部門長が担当箇所を監督し、全部門が目標を達成しても、収益を最大化したことにならない。それは、多くの会社には、潜在的収益を最大限に引き出すのに必要な、顧客、サプライヤー、販路など、各領域の連携を管理する責任者がいないからなのである。

市場の根本的な変化

 ビジネスの新たな時代が始まりつつある。

 20世紀の半ば、マス・マーケットが発達し、効率的な生産と市場開発ができるようになった。

 例えば、デルは顧客を選択し、価格を分刻みで変更しながら、全ての取引を個別に行っている。

 デルのような企業がトップメーカーに躍り出たことは、「プレシジョン(精密照準)・マーケット」という新時代の到来を象徴している。この時代を特徴づけるのは、同社のように顧客に応じて異なった関係を選択し管理するやり方である。

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