2009年3月号掲載

「会社のアカスリ」で利益10倍! 本当は儲かる環境経営

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著者紹介

概要

著者はキヤノン電子社長に就任後、9年で経常利益率を9倍以上も伸ばした人物。その成功のカギは「環境経営」にある。環境経営=儲からないと見がちだが、さにあらず。本書の説くそれは、水、電気から人の移動まで、あらゆるもののムダを削ることで、環境負荷を抑え、利益を伸ばし、さらには社員のモラル向上につなげるもの。この一石三鳥の環境経営を紹介する。

要約

環境は儲かる!

 環境重視を唱える企業は増えた。だが、本音の部分ではどうか。「コストばかりかかる」と、逃げ腰の経営者も少なくないのではないか。

 しかし、そのような考えは間違っている。

 地球環境に配慮した企業経営は、製造、物流など、あらゆる機会を通じて環境負荷改善の創意工夫をこらすことになる。その結果、コストダウンや業務の改善・効率化なども実現するのだ。

 1999年当時、キヤノン電子の売上高経常利益率は1.5%にすぎなかった(売上高750億円。経常利益11億円)。黒字ではあったが、多額の借入があり、実態的には赤字経営だった。それが9年後の2007年、経常利益率は14.1%と9.4倍も伸びた(売上高1059億円。経常利益150億円)。

 この間、売上高はさほど伸びていない。それでも利益率が伸びたのは、環境対策をテコにとことんムダを省き、利益の出る仕組みを作ったからだ。

環境対策でできることは、3つしかない

 環境について、現実的に企業が取り得る対策は次の3つである。

・リデュース(廃棄物の発生抑制)

 使用済みになったものが、なるべくゴミとして廃棄されないように配慮して、ものを製造・加工・販売すること。

・リユース(製品・部品の再使用)

 使用済みになっても、また使えるものはゴミとして廃棄しないで再使用すること。

・リサイクル(再生資源の利用)

 この3つの中では、リデュースが最優先である。リユースもリサイクルも、その過程で何らかのエネルギーを消費する。だがリデュースで、原材料の量を半分にできれば、その分がそのままコストダウンになるし、消費する資源も半分ですむ。

 リデュースこそ、環境と経済成長を両立させる、最も現実的な取り組みである。