2005年4月号掲載

鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」

マネジメント起業家・人物
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著者紹介

概要

小売業の王者セブン-イレブン・ジャパンの強さの秘密を、同社の会長・鈴木敏文氏へのインタビューをもとに明らかにする。ベストセラーとなった『鈴木敏文の「統計心理学」』(プレジデント社)に続く第2弾。今回は鈴木流の「売り方」「情報術」「対話の極意」「起業論」「決断力」を徹底解剖する。前著と同様、多くの“気づき”に溢れる書!

要約

鈴木流「売り方」

 セブン−イレブン・ジャパン会長、鈴木敏文氏。氏の経営は、いわば「脱常識」の経営といえる。

 例えば、企業は中長期的な経営計画を立て、その実現に向け邁進しながら成長していくもの、とされる。だが氏は、この考え方にはくみしない。

 実際、セブン−イレブンには中長期計画はない。ちょうど創業30年目に1万店を突破したが、「何年後までに1万店に増やす」といった目標を掲げたことは一度もなかった。

 「1週間後の為替レートさえ読めない変化の時代に、中長期的な目標を掲げても意味がない」「目標を設定すると、その目標数値が一人歩きし、数字のつじつま合わせの経営に陥りがちだ」というのがその理由である。

 鈴木氏はなぜ、このような「脱常識」の経営に邁進することができたのか? それは、市場に蔓延する「本当のようなウソ」を見抜き、「真実」を掴んできたからだ。では、その真実とは ——

「顧客のために」ではなく「顧客の立場で」

 顧客満足度が重視される今、「顧客のために」という意識が求められていると思われがちだ。しかし、イトーヨーカドーグループでは「顧客のために」という言葉の使用を社員に禁じている。今の時代に必要なのは、「顧客のために」ではなく、「顧客の立場で」考えることだからである。

 この2つには決定的な違いがある。「顧客のために」と考える時はたいてい、自分の経験をもとに「顧客とはこういうものだ」という決めつけをするが、「顧客の立場で」考える時は、自分の経験をいったん否定しなければならない。

 例えば、正月用のお節用品はかつては大きなパック詰めで売るのが恒例だった。売る側は、大パックの方がお買い得で「顧客のために」なると考えていた。だが、売上はどんどん落ちていった。

 これを「顧客の立場で」見れば、小パックの方がいいとわかる。今はスーパーも365日営業になり、まとめ買いをする必要はない。実際、売り方を変えただけで売上は何倍にも増えたという。

顧客は「今ないもの」については答えられない

 顧客が求める新しいものを常に提供するために、絶え間なく挑戦を続ける ——「変化対応企業」のビジョンを掲げて、新しいことへの挑戦を至上命題とするのが同社の経営である。

 だが、「明日の顧客」が求めるものは「今日の顧客」が求めたものとは異なる。では、顧客の求める新しいものはどのようにして見つけるのか?

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