TOPPOINT 大賞

2022年下半期
TOPPOINT大賞
発表いたします。

TOPPOINT 大賞
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2022年7月号~12月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2022年下半期「TOPPOINT大賞」(第37回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
経営12カ条 経営者として貫くべきこと

2022年11月号掲載経営12カ条 経営者として貫くべきこと

京セラ、KDDI、そしてJALと、経営の第一線を歩き続けた稲盛和夫氏。その氏が、経営者は何を思い、何を行うべきか、貫くべき経営の要諦を説いた。事業の目的・意義を明確にする、具体的な目標を立てる、強烈な願望を心に抱く…。2022年8月に逝去した氏の経営の集大成ともいうべき12の原理原則が、力強く明快に語られる。
著者稲盛和夫
出版社日経BP・日本経済新聞出版
発行日2022年9月
定価1,870円

読者のコメント

  • お付き合い頂いているある経営者の方が「何故、信念がぶれることなく、常にポジティブでいられるのか」という謎が解けました。まさに12か条の実践者でありました。私も精進しなければと再認識することができました。(50代・男性)
  • とにかく、分かりやすく、読みやすい。具体例がふんだんに織り込まれているため、イメージしやすい。さらに、各章に「まとめ」(要約)が付いているため、飛ばし読みまでできてしまう。これぞ大物の神髄、という感じ。(50代・男性)
  • 具体的な内容で、共感できます。ビジネススクール的な経営論とは異なると思いますが、現場で実践したことだけに説得力があります。(50代・男性)
  • 稲盛和夫氏の経営の集大成がわかりやすく書かれていた。逝去を受けて、その存在感の大きさに改めて気づかされた。(30代・男性)
  • 不確実性の時代だからこそ重要な経営者やリーダーの思考および行動の基本原則だと改めて思う。(60代・男性)
  • 稲盛イズムに経営の王道をあらためて感じます。本年一番のおすすめの書(60代・男性)
  • 稲盛氏の集大成という書籍で、どの内容も経営上の気持ちを引き締めなおすことができる。(50代・男性)
  • 経営者の基本事項として常に心に留めて置きたい。(60代・男性)
  • 惜しい人を亡くしたが、この一冊に凝縮されている。非常に良い本。(50代・男性)
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運動脳

2 2022年11月号掲載運動脳

スウェーデンの精神科医が、運動が脳に与える影響について解説。定期的な運動がストレスに対する抵抗力を高める。暗記能力はランニングで強化できる。認知症予防には週5日のウォーキングが効果的…。運動の効用の数々が、科学研究の成果を踏まえ語られる。人生をより健やかなものとするために、身体を動かしたくなる1冊だ。
著者アンデシュ・ハンセン
訳者御舩由美子
出版社サンマーク出版
発行日2022年9月
定価1,650円

読者のコメント

  • ●コロナ禍で外出控えやリモートワークによる運動不足になりがちな昨今、改めて運動の重要性を再認識しました。健康だけでなく脳にも与える影響があり、運動による効果を神経科学の研究成果をもとに明らかにしている。ランニングしようかなとモチベーションを上げてくれる一冊。(男性)
  • ●運動が単に体の健康のみならず、脳に対してストレスや記憶や認知症に効果的との事で、たとえ忙しくとも、最低週150分のウォーキングは欠かさず実践したいと感じさせられた。(50代・男性)

著者紹介

Anders Hansen

精神科医。スウェーデンのストックホルム出身。カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)にて医学を、ストックホルム商科大学にて企業経営を修めた。現在は上級医師として病院に勤務するかたわら、多数の記事の執筆を行っている。主な著書に『スマホ脳』(新潮社)などがある。
死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説

3 2022年12月号掲載死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説

我々は死を迎えた後、「ゼロ・ポイント・フィールド」という場所で生き続けていく ―― 。田坂広志氏が、最先端の科学の知見を基に、「死後」の世界について説いた。死後、意識の全ての情報が記録される、他者の情報と相互作用を続ける等々、新たな死生観が語られる。現実世界の肉体は消えても、その奥にある世界で「自己」は残る!
著者田坂広志
出版社光文社(光文社新書)
発行日2022年10月
定価1,012円

読者のコメント

  • ●死は存在する。と永年思って生きた私にとって、「死は存在しない」と。誰も説得力のある説明をしてくれない現代。この本は大変興味深く説明してくれています。「物質」ではなく「波動」である。と。(60代・男性)
  • ●単なる科学論でもなく、また、宗教でもなく、それでいて読後にある種のすっきり感を残してくれる本だった(30代・男性)
  • ●昔、全ての記憶は空間に保存されているという科学者についてのドキュメンタリー映画がありました。正にその事ですね。(60代・男性)

著者紹介

田坂広志(たさか ひろし)

1951年生まれ。1981年、東京大学大学院修了。工学博士(原子力工学)。多摩大学大学院名誉教授、シンクタンク・ソフィアバンク代表。2010年世界賢人会議ブダペスト・クラブの日本代表に就任。2011年東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任。著書は100冊余。
オンライン脳 東北大学の緊急実験からわかった危険な大問題

4 2022年10月号掲載オンライン脳 東北大学の緊急実験からわかった危険な大問題

近年、一気に普及したオンラインのコミュニケーション。だが、オンラインの会話では、対面の時のような「共感」は生まれない ―― 。脳科学者が、コロナ禍での緊急実験をもとにオンラインの限界を指摘、スマホなどデジタル機器の長時間使用が脳に及ぼす弊害を明かした。私たちを蝕む「オンライン脳」に警鐘を鳴らす1冊だ。
著者川島隆太
出版社アスコム
発行日2022年8月
定価1,397円

読者のコメント

  • ●オンラインのコミュニケーションでは共感や協調は生まれないことを脳の同期で説明している本書。オンラインでのコミュニケーション活性化について思考し、難しさを感じていた時期だったので、オンラインでは限界があることを妙に納得してしまった。(男性)
  • ●目まぐるしく変わったここ数年を経て、今どうあるべきか?非常に考えさせられたため。(40代・男性)
  • ●若い家族に意識してもらいたい。すばらしい書籍(60代・男性)

著者紹介

川島隆太(かわしま りゅうた)

1959年生まれ。東北大学加齢医学研究所 所長。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター センター長。主な受賞として、2009年井上春成賞、2012年河北文化賞。著書は『スマホが学力を破壊する』『さらば脳ブーム』など、300冊以上。
解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法

5 2022年11月号掲載解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法

厄介な問題に直面すると、人は解決策を探すことに熱中しがち。そんな時、自分が「問題をどう捉えているか」まで気が及ばない。だが、その捉え方を変えると、これまでとは全く違う優れた解決策が見えてくる。本書は、この「リフレーミング」のスキルの身につけ方を解説。正しい問題に狙いを定め、解決に導くヒントが示される。
著者トーマス・ウェデル=ウェデルスボルグ
訳者千葉敏生
出版社実務教育出版
発行日2022年9月
定価1,980円

読者のコメント

  • ●何か問題があると解決しようと近視眼的になりがちですが、本書のエレベーターの事例では、こんな着眼点や思考があるのだと妙に感心してしまいました。このリフレーミングの思考法を日常で活用しています。課題だけでなく、全体俯瞰しながら多面的に見ることの思考法として役立てています。(男性)
  • ●考えている(と思っている)うちに、ますます的外れな方向へ進んでしまった経験がある。そうならないように問題のとらえ方のヒントを教えてくれる本であると思う。(60代・男性)

著者紹介

Thomas Wedell-Wedellsborg

講演家、企業幹部向けのアドバイザー。IESEビジネススクールでMBA、コペンハーゲン大学で修士号を取得。シスコ、マイクロソフト、シティグループ、国連といったクライアントにリフレーミング・メソッドを紹介してきた実績を持つ。
THINK AGAIN(シンク アゲイン) 発想を変える、思い込みを手放す

6 2022年7月号掲載THINK AGAIN(シンク アゲイン) 発想を変える、思い込みを手放す

本当に頭の良い人とは、「考えること」よりも「考え直す」ことのできる人 ―― 。今日、情報技術の進歩により、日々膨大な情報が生まれ、すぐ古くなる。今の時代を生き抜くには、既存の知識や考えを常に見直すことが欠かせない。そんな現代社会に必須ともいえる「再考する」ことの重要性、そして発想を変えるための方法を説く。
著者アダム・グラント、楠木 建(監訳)
出版社三笠書房
発行日2022年4月
定価2,200円

読者のコメント

  • ●予測するには何を知っているかより、どのように考えるかが必要。重要なのは「見解を頻繁に改めること」であり、自信と謙虚さのバランスを保つことが重要であることが理解できた。(50代・男性)
  • ●斬新な考え方で現在を生きる上で参考になった。(50代・男性)

著者紹介

Adam Grant

ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。著書に『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(三笠書房)。
「プランB」の教科書

7 2022年10月号掲載「プランB」の教科書

当初定めたプランに代わる“次の一手”、それが「プランB」だ。コロナ禍のような予想外の事態に備え、事前に策定すべきものだが、そもそも作っていない、あるいはプランBがあっても実行できないという組織が少なくない。なぜか? 本書は、その原因を示すとともに、プランBを発動させる方法を解説した「教科書」である。
著者尾崎弘之
出版社集英社インターナショナル(インターナショナル新書)
発行日2022年8月
定価1,056円

読者のコメント

  • ●参考になった一冊。思いあたる部分があり、改善しなければならないと気がつかされました。(50代・男性)
  • ●やめる決断をいかにするか、代替策の準備、リスクマネジメント面でも参考になる。(50代・男性)

著者紹介

尾崎弘之(おざき ひろゆき)

1960年、福岡市出身。1984年、東京大学法学部卒業。2005年より東京工科大学教授。2015年より神戸大学科学技術イノベーション研究科教授、同大経営学研究科教授(兼任)。博士(学術)。著書多数。
テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

8 2022年9月号掲載テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

私たちの未来は、驚きに満ちたものとなる! 米MITのメディアラボ所長を経て、起業家として活躍する著者が、最先端のテクノロジーが社会や経済、文化、そして個人に及ぼす変化を予測した。「web3」「メタバース」「NFT」。この3つをキーワードに、様変わりする世界の姿を描く。大転換の時代を生きる上で、指針となる書だ。
著者伊藤穰一
出版社SBクリエイティブ(SB新書)
発行日2022年6月
定価990円

読者のコメント

  • ●今話題となっている気になるキーワードをベースに、これから社会がどのようになっていくのか、私たちはどこに立っているのかがわかりやすく述べられている。(男性)
  • ●これからの未来というより、もうすぐ確実に現実の世界で始まっている最先端技術について、教えてくれている。(60代・男性)

著者紹介

伊藤穰一(いとう じょういち)

デジタルガレージ 取締役 共同創業者 チーフアーキテクト、千葉工業大学 変革センター長。2011~19年までは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの所長を務め、2015年のデジタル通貨イニシアチブ(DCI)の設立を主導。2016~19年までは、金融庁参与を務める。
ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち

9 2022年9月号掲載ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち

毎年、スイスで開催される「世界経済フォーラム総会」(通称ダボス会議)に集う、名だたる億万長者たち。“ダボスマン”と呼ばれる彼らは、これまで言葉巧みに嘘を浸透させ、減税や規制緩和を勝ち取ってきた。そんなダボスマンの論理や世界経済への影響などについて、ニューヨーク・タイムズ紙の記者が明らかにする。
著者ピーター・S・グッドマン
訳者梅原季哉
出版社ハーパーコリンズ・ジャパン
発行日2022年6月
定価2,420円

読者のコメント

  • ●近年日本でもダボス会議が脚光を浴びていますが、よく本質を見極める必要があると考えさせられます。(50代・男性)
  • ●この世界を支配する力学の一側面として、知っておくべき内容だと思う。(60代・男性)
  • ●世界の中心である現実に衝撃を受けた。騙されないための機会となった。(男性)

著者紹介

Peter S. Goodman

ニューヨーク・タイムズ紙のグローバル経済担当記者。ジェラルド・ローブ賞をはじめ数々の受賞歴を誇る。リード大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校でベトナム史の修士号取得。
Slowdown 減速する素晴らしき世界

10 2022年10月号掲載Slowdown 減速する素晴らしき世界

技術変革は将来も急速に進む、経済成長は永遠に続く…。これまで、こうした考え方が、経済や政治、社会の大前提だった。だが今、あらゆることが“スローダウン”し始めている。そして、それは良いことだ。住まいも教育も改善し、過酷な仕事も減る。本書は、膨大なデータをもとに、「加速時代の終焉」と「世界の安定化」を示す。
著者ダニー・ドーリング
訳者遠藤真美
出版社東洋経済新報社
発行日2022年7月
定価3,080円

読者のコメント

  • ●成長・開発・発展を「正」として、やみくもに追いかけてきた資本主義の限界感を言い当てるとともに、その価値観の先にある世界を「素晴らしき世界」と表現していることが、本当に素晴らしいと思います。(40代・男性)
  • ●日本における人口減少および高齢化の下で経済成長神話が唱え続けられることに個人的に強い違和感を抱いていた中で、マイナス成長をどのように受け入れるべきなのかという命題に向き合わさせてくれた良書。(50代・男性)

著者紹介

Danny Dorling

オックスフォード大学ハルフォード・マッキンダー地理学教授。

2022年下半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。

【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2022年7月号~12月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。