TOPPOINT 大賞

2020年下半期TOPPOINT大賞を発表いたします。

TOPPOINT 大賞
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2020年7月号~12月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2020年下半期「TOPPOINT大賞」(第33回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
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11月号紹介

ブルシット・ジョブ

過去数十年で労働生産性は大きく上がった。だが、労働時間は減らず、報酬も平行線をたどっている。なぜか。それは、「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」が増えたからだ! 生産性の向上に伴い社会に広がった無意味な仕事の実態と、それが増加した原因を明らかにする。仕事と価値の関係を見つめ直す、世界的話題の書。
著者デヴィッド・グレーバー
訳者酒井隆史、芳賀達彦、森田和樹
出版社岩波書店
発行日2020年7月
定価3,700円+税

読者のコメント

  • コロナ禍で、エッセンシャル・ワーカーの方々の奮闘に敬意を覚える一方で、なぜこのような方々の待遇がかくも悪いのかと暗澹たる気持ちでいたところに、非常にタイムリーな本を紹介していただきました。「ブルシット・ジョブ」問題に関する議論が深まることを期待しています。(40代・男性)
  • 衝撃的なタイトルですが、本当に必要な仕事とは何か、改めて考えさせられる内容です。逆に考えると、いかにして仕事に価値を認めてもらうかも、考えさせられます。(50代・男性)
  • 仕事論に関して自分が考えもつかなかった点から、大きな納得を得られることができた。また、著者への弔意を表す意味でも推薦させていただく。(20代・男性)
  • 普段仕事をしていると無駄だと思えることは多い。しかし、構造的に無駄を作っているのであれば話は変わる。人生の重要な部分を占める仕事について、根本的な問いを投げかけてくれる点で大変有益と感じた。(30代・男性)
  • なぜ生産性が向上する中、サービス業の比率が上昇するのか、なぜエッセンシャルワーカーの給与が安いのかを分析している。(男性)
  • これは目から鱗でした。(50代・男性)
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編集担当者コメント

  • 『ブルシット・ジョブ』は、仕事についての本ですが、効率化やノウハウは教えてくれません。仕事や労働にまつわる様々な不合理・ストレスに目を向けて、「なんでこんなに無駄な仕事が増えているんだろう」という素朴な疑問を、深くふかく掘り下げていく本です。その点で、ちょっと変わり種のビジネス書といえるかもしれません。そんな不思議な書物を「TOPPOINT大賞」に選んでくださったことに、心よりお礼申し上げます。
    著者のグレーバーは、『負債論』でも話題になった気鋭の人類学者でしたが、残念ながら2020年9月に急逝しました。彼が本書で伝えたかったことの一つは、私たちの仕事はじつは「生産」より「ケア」の割合が多いということ、その「ケア」の観点から経済や社会を再建しなければならないということでした。グレーバーの遺した願いを、燠火(おきび)のように胸の中であたため、誰も仕事で傷つくことのない世界を共に築いていけましたら幸いです。

    岩波書店 奈倉龍祐

著者紹介

著者紹介
  • David Graeber

    1961年ニューヨーク生まれ。文化人類学者・アクティヴィスト。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授。著書に『アナーキスト人類学のための断章』『負債論――貨幣と暴力の5000年』(以文社)、『デモクラシー・プロジェクト――オキュパイ運動・直接民主主義・集合的想像力』(航思社)など。2020年死去。

8月号紹介

2 共感経営

かつて、アダム・スミスは『道徳感情論』において、「他者に対する共感」の重要性を提起した。その共感の思想が、260年を経た今、改めて世界中の経営者の注目を集めている。「資本主義の再構築」に向けての議論の中で浮かび上がってきた共感。この思想を読み解きながら、いちはやく経営に取り入れている事例を紹介する。
著者野中郁次郎、勝見 明
出版社日経BP・日本経済新聞出版本部
発行日2020年5月
定価1,800円+税

読者のコメント

  • ●利他主義の考え方は自分にたりないところである。これから組織、会社運営をする上で参考にしたい。アダムスミスの道徳感情論を一読し、共感経営をさらに理解を深めたい(50代・男性)
  • ●ナレッジマネジメントの開発者・野中郁次郎が論じた共感経営に興味を持った。東洋哲学と西洋哲学の融合を可能にできる数少ない1人である。(70代・男性)

著者紹介

野中郁次郎(のなか いくじろう)

1935年生まれ。一橋大学名誉教授・早稲田大学特命教授。著書に『失敗の本質』『知識創造企業』(各共著)など多数。

勝見 明(かつみ あきら)

1952年生まれ。フリージャーナリスト。経済・経営分野を中心に執筆。
11月号紹介

3 仕事の哲学

今、日本で進められている「働き方改革」に、キヤノン電子社長が物申した書。いわく、小手先の改革では、働く人も企業も不幸になる。単に長時間労働を是正すればよいのか。ときに寝食を忘れて励むのは、仕事で成果を出そうとすれば当然の話だ、等々。自らの経験に裏打ちされた、皆が幸福になる働き方・仕事の哲学を語る。
著者酒巻 久
出版社PHP研究所
発行日2020年9月
定価1,600円+税

読者のコメント

  • ●コロナ禍にあって、テレワークにもの申す一冊であり、読んで痛快であり、正に仕事に向きあう姿勢を教えてくれる。自ら考え行動し、寝食を忘れる位働く社員が今後も必要と教えてくれる哲学書といえる。(70代・男性)
  • ●仕事に対する考えかたの奥深さに感銘した。悪とされている長時間労働、休日出勤は自分も経験してきたが、やりがいのある仕事をとことんやった事が今のキャリアにつながっていると改めて思う。(50代・男性)

著者紹介

酒巻 久(さかまき ひさし)

キヤノン電子株式会社社長。1940年栃木県生まれ。著書に『キヤノンの仕事術』(祥伝社)、『「会社のアカスリ」で利益10倍!』『見抜く力』(朝日新聞出版)、『60歳から会社に残れる人、残ってほしい人』(幻冬舎)等がある。
9月号紹介

4 直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍

新型コロナウイルスのショックで、世界中が混乱している。いまだ先行きが不透明な中、経営者に求められるのは“前例なき決断”だ。データや論理では詰め切れない中で決断しなければならない。そのために留意すべきことを、経営学の第一人者が説いた。不確実な未来に向け、跳躍するための「思考の筋道の基本」が示される。
著者伊丹敬之
出版社東洋経済新報社
発行日2020年7月
定価1,600円+税

読者のコメント

  • ●論理だけでなく直感と哲学のバランスによって決断すると言う当たり前の事を気づかせてもらったからです。(50代・男性)
  • ●今までは、仮説と検証に基づいてジャッジメントしていたが、帰納法を活用しつつ、自分自身の直感力が生き抜く為の力になるとも思える上で、再考できた一冊ではないか。(50代・男性)
  • ●経営者に求められるのは前例なき決断。そのためのらしん盤ですね。(70代・男性)

著者紹介

伊丹敬之(いたみ ひろゆき)

1945年生まれ。国際大学学長。一橋大学名誉教授。一橋大学商学部卒業。カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了(Ph.D.)。2005年11月紫綬褒章を受章。著書に『経営戦略の論理〈第4版〉』(日本経済新聞出版社)、『経済を見る眼』(東洋経済新報社)など。
8月号紹介

5 プロフェッショナル経営参謀

技術革新などによって、先が見えにくい今の時代、経営者が求めるのは“プロの経営参謀”だ。すなわち、経営トップの意思決定に関わり、最適な仕事をデザインし、会社を動かしていく人材。そんな経営参謀に求められる能力、そして、それを高めるためのトレーニング法を、ボストン コンサルティング グループ日本代表が説く。
著者杉田浩章
出版社日経BP・日本経済新聞出版本部
発行日2020年6月
定価1,700円+税

読者のコメント

  • ●経営参謀(経営コンサル等)として、明日からでもできるトレーニングは役に立ちそうと思いました。(60代・男性)
  • ●私の役割、高めるべき能力が何であるか気づかせてもらえました。(50代・男性)
  • ●この本を見て日本改革をしてほしい。自分の会社も同様である!企業は人なり。(70代・男性)

著者紹介

杉田浩章(すぎた ひろあき)

ボストン コンサルティング グループ日本代表。東京工業大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。株式会社日本交通公社(JTB)を経て現在に至る。主な著書に『リクルートのすごい構“創”力』『BCG流戦略営業』など。
7月号紹介

6 スタンフォード式 人生を変える運動の科学

「体を動かすこと」は、健康によいだけではない。不安や孤独感を和らげ、喜びを与えてくれるなど、運動することで、人生が充実したものとなる! スタンフォード大学の健康心理学者が、太古の人々から受け継がれてきた「運動と幸福」のメカニズムを解明。運動がもたらす心理的・社会的な効果を説き、その重要性を訴える。
著者ケリー・マクゴニガル
訳者神崎朗子
出版社大和書房
発行日2020年4月
定価1,600円+税

読者のコメント

  • ●運動することが、人間にとって如何に大切かということが、今まで何となく分かっていたが、その根拠が人類史や科学的観点から説かれていて、この新型コロナ禍の時代にも運動しなければと考えさせられた。(70代・男性)

著者紹介

Kelly McGonigal

スタンフォード大学の心理学者。ボストン大学で心理学、マスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で博士号(健康心理学)を取得。心理学、神経科学などの最新の知見を用いて、人びとの心身の健康や幸福などの向上に役立つ実践的な戦略を提供する「サイエンス・ヘルプ」のリーダーとして世界的に注目を集める。著書に『スタンフォードの自分を変える教室』『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(大和書房)など。
12月号紹介

7 いかなる時代環境でも利益を出す仕組み

コロナ渦にあっても成長を続けるアイリスオーヤマ。その強さの秘密を、同社会長が明かした。自らの手で環境をコントロールする。マーケットインではなくユーザーイン。経常利益の50%を新市場の開拓に回す…。目先の利益を追うのでなく、どんな環境下でも利益を出す。そのための仕組みづくりを詳述した、実践的な経営書だ。
著者大山健太郎
出版社日経BP
発行日2020年9月
定価1,600円+税

読者のコメント

  • ●アイリスオーヤマを率いる大山会長のリーダーシップとユーザーインの志向で生み出す利益、スピード経営がいかに大切かを教えてくれた。(70代・男性)
  • ●脱下請決断から今に至る「ユーザーイン」の発想は素晴らしい。(70代・男性)

著者紹介

大山健太郎(おおやま けんたろう)

アイリスオーヤマ会長。1945年生まれ。大阪で父親が経営していたプラスチック加工の大山ブロー工業所(1991年にアイリスオーヤマに社名変更)を、父の死に伴って1964年、19歳で引き継ぐ。経営者を56年間と長きにわたり務め、生活用品メーカーからLED照明・家電メーカーに業容拡大。藍綬褒章受章(2009年5月)、旭日重光章受章(2017年11月)。2018年会長就任。
9月号紹介

8 NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘

目標を課すことが生産性を上げる、上司は部下を正しく評価できる、ワークライフバランスが何より大切…。一見もっともらしい、これら仕事に関する定説は、実は生産性を妨げている。なぜなら、それは「ウソ」だからだ ―― 。科学の知見をもとに、職場に定着している常識を覆し、その陰に隠れた真実を明らかにする。
著者マーカス・バッキンガム、アシュリー・グッドール
訳者櫻井祐子
出版社サンマーク出版
発行日2020年6月
定価1,800円+税

読者のコメント

  • ●この書籍で明らかになった事実を、現在の実務に溶け混ませるためにどうすれば良いか考えさせられた一冊。(20代・男性)
  • ●仕事の評価は正しくないので、評価を気にせず自分の仕事を愛することとの考えは励みになった。(50代・男性)

著者紹介

Marcus Buckingham

「最も影響力のある経営思想家ベスト50」に選出された世界的研究者。著書に『さあ、才能に目覚めよう』(共著、日本経済新聞出版社)など。

Ashley Goodall

シスコのシニアバイスプレジデント。
11月号紹介

9 LIFESPAN

人生の晩年を、老いからくる病気や身体の不自由に苦しみながら過ごす人は多い。だが、遺伝学の世界的権威である著者によれば、老化という「病」は治療可能である。しかも、その実現は近いというのだ。本書では、最先端の研究成果をもとに、老化のメカニズムや「長寿遺伝子」の存在を解明し、老いなき世界の姿を描きだす。
著者デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント
訳者梶山あゆみ
出版社東洋経済新報社
発行日2020年9月
定価2,400円+税

読者のコメント

  • ●人生が100年、200年、どんどん伸びていってしまう。恐怖も感じつつ、楽観もさせてくれる。普通では考えられない、考えないことを考えさせてくれる書物は人生を豊かにしてくれるものであると信じている。(30代・男性)

著者紹介

David A. Sinclair

世界的に有名な科学者、起業家。老化の原因と若返りの方法に関する研究で知られる。ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授として終身在職権を得、同大学院のブラヴァトニク研究所に所属している。

Matthew D. LaPlante

ユタ州立大学で報道記事ライティングを専門とする準教授。
9月号紹介

10 ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか

作業服専門店「ワークマン」。2019年の消費増税後も、新型コロナ禍の中にあっても右肩上がりに成長し、国内の店舗数はユニクロを超えた。その強さを支えるビジネスモデルに迫った書だ。在庫リスクを恐れず新商品を生み出す、データを見ながら何でも変える…。同社の改革の数々、それは激動の時代を生き抜くヒントでもある。
著者酒井大輔
出版社日経BP
発行日2020年6月
定価1,600円+税

読者のコメント

  • ●作業服専門店という個人的にはまったく未知の業態に関わる企業が、このご時勢にかくも力強い成長を遂げていることに目を瞠りました。どのような逆風にあっても、創意工夫によって「置かれた場所で咲く」ことが可能なのだと教えられました。(40代・男性)

著者紹介

酒井大輔(さかい だいすけ)

1986年石川県生まれ。京都大学法学部卒業後、金沢で新聞記者に。北陸新幹線担当として経済部、社会部で開業報道を担う。2017年2月、日経BPに入社。日経トレンディ編集部に加わり、五輪連載「Road to 2020」を担当。18年8月から日経クロストレンド兼日経トレンディ記者。20年6月から日経クロストレンド記者。
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TOPPOINT 大賞

2020年下半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。

【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2020年7月号~12月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。