
2025年上半期
TOPPOINT大賞を
発表いたします。

新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2025年1月号~6月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2025年上半期「TOPPOINT大賞」(第42回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
TOPPOINT大賞
受賞書籍ランキング
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大賞人生の経営戦略 ――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20 (山口 周 / ダイヤモンド社)
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2ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」 (坂本貴志 / 講談社(講談社現代新書))
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3シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき (レイ・カーツワイル / NHK出版)
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4西洋近代の罪 自由・平等・民主主義はこのまま敗北するのか (大澤真幸 / 朝日新聞出版(朝日新書))
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5日本経済の死角 ――収奪的システムを解き明かす (河野龍太郎 / 筑摩書房(ちくま新書))
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6ゾーンに入る EQが導く最高パフォーマンス (ダニエル・ゴールマン、ケアリー・チャーニス / 日経BP・日本経済新聞出版)
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7ミネルバ式 最先端リーダーシップ 不確実な時代に成果を出し続けるリーダーの18の思考習慣 (黒川公晴 / ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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8日本型組織のドミノ崩壊はなぜ始まったか (太田 肇 / 集英社(集英社新書))
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9ニセコ化するニッポン (谷頭和希 / KADOKAWA)
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10イノベーションの科学 (清水 洋 / 中央公論新社(中公新書))

読者のコメント
- 定年退職後に初めて手に取った本書は、自分の人生を振り返って、なるほどそうすべきだったのか。とか、そういえばその通りのことをしてきたな。と思うことを論理的に解説してくれた。30代2人の息子もにも薦めたが、特にResource-based Viewの観点から、自分の強みではなく個人の持つ他に真似できない特徴を伸ばせという部分を知ってもらいたかったからだ。どの年代が読んでも「気づき」が得られ、人生の経営戦略の練り直しができる。(60代・男性)
- 欠点を矯正するのではなくユニークな点を伸ばすこと、自分のモノサシを持つこと、人生の後半は支配型ではなくサーバント型リーダーシップが役に立つこと、などこれからの人生を豊かに過ごすためのアドバイスがとても味わい深いと思いました。(50代・男性)
- 経営のフレームワークを人生に当てはめると以外と上手くいくかも。今まで考えてもいなかった切り口で新鮮でした。(50代・男性)
- 人生と経営を重ねている点が新しい。(50代・男性) もっと見る

2 2025年1月号掲載ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」
人口が減り続けてやまない日本。今後、この国の経済・社会がどこへ向かうのか、各種データを基にアナリストが明らかにした。生産性は堅調だが、経済成長率は低迷。賃金は上昇基調に転じる。人手不足はますます深刻に…。先が見えにくい今だからこそ、知っておきたい“人口減少経済”における「変化」と「未来予測」を提示する。
著者 | 坂本貴志 |
出版社 | 講談社(講談社現代新書) |
発行日 | 2024年10月 |
定価 | 1,100円 |
読者のコメント
- 日本経済・社会の不都合な現実を客観的なデータをもとにわかりやすく解説した今年ダントツの良書だから。(男性)
- これからの日本経済がどうなるのか、数値で示されているのが勉強になった。(60代・男性)
- 各地の地場産業に取材した結果に基づく分析に好印象。(50代・男性)
- 私は五十代前半になり、セカンドライフの準備を始めたところである。そうした中で本書を読んで、先行きの不透明さを知り、セカンドライフの設計に漠然と不安を感じた。(50代・男性)
著者紹介
坂本貴志(さかもと たかし)
1985年生まれ。リクルートワークス研究所研究員・アナリスト。一橋大学国際公共政策大学院公共経済専攻修了。著書に『ほんとうの定年後――「小さな仕事」が日本社会を救う』(講談社)、『統計で考える働き方の未来――高齢者が働き続ける国へ』(筑摩書房)がある。

3 2025年1月号掲載シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき
我々が“シンギュラリティ”に達するのは、もはや時間の問題だ ―― 。テクノロジーの加速度的な進歩により、人間の肉体は老化を克服し、脳はAIと接続して数百万倍の知性を得る。そんな日が近づきつつあることを、世界的な発明家・未来学者が説く。60年にわたりAI研究に携わってきた著者の、集大成ともいえる1冊である。
著者 | レイ・カーツワイル |
訳者 | 高橋則明 |
出版社 | NHK出版 |
発行日 | 2024年11月 |
定価 | 2,640円 |
読者のコメント
- ここで書かれていることが果たしてすべて実現するのかどうかは疑問に思う。だが、実現するための努力を重ねることで、別のイノベーションが生まれるのではないか。(50代・男性)
- 筆者の意見に全く同意できないが、こういう考えの人が一定数いることを理解する必要を感じる。(60代・男性)
- かなり楽観的な見通しだとは感じるが、先端を走っている人が何を考えているのかが興味深い。(40代・男性)
著者紹介
Ray Kurzweil
1948年ニューヨーク生まれ。世界屈指の発明家、思想家、未来学者であり、AI研究開発に60年以上携わる権威。Google社で機械学習と自然言語処理の研究を率い、現在は同社の主任研究員兼AIビジョナリー。著書に『シンギュラリティは近い』(NHK出版)など。

4 2025年6月号掲載西洋近代の罪 自由・平等・民主主義はこのまま敗北するのか
今、民主主義を押しのけ、排他的な権威主義が力を増している。アメリカで、ロシアで、西側諸国で。この現象の意味を、民主主義と資本主義の関係に着目して、分析した。ヨーロッパにおける右派勢力の躍進、トランプ大統領の再選と支持者の傾向など、個々の出来事を解釈しつつ、現在の政治的・経済的な状況を明らかにする。
著者 | 大澤真幸 |
出版社 | 朝日新聞出版(朝日新書) |
発行日 | 2025年4月 |
定価 | 1,155円 |
読者のコメント
- いま国際社会で何が起こっているのか、それを大局的に理解することができた。(40代・男性)
- 不安定な現在の情勢を分かりやすく、かつ的確に解説していた。(40代・男性)
- 正義の問題を考えさせる本。格差社会のリスクを反省する本。(女性)
- 時代の大きな流れを説いている。(90代・男性)
著者紹介
大澤真幸(おおさわ まさち)
1958年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。近著に「〈世界史〉の哲学」シリーズ、『新世紀のコミュニズムへ』『この世界の問い方』『資本主義の〈その先〉へ』など。

5 2025年5月号掲載日本経済の死角 ――収奪的システムを解き明かす
日本の生産性は、この四半世紀で30%も向上した。しかし、実質賃金は横ばいのまま。なぜか? 人気エコノミストが、原因を読み解いた。儲かっても溜め込む大企業、長期雇用制を前提とした雇用慣行、株主至上主義に基づく企業統治改革…。日本経済が抱える様々な“死角” ―― 経済停滞を長期化させた要因を明確に示す。
著者 | 河野龍太郎 |
出版社 | 筑摩書房(ちくま新書) |
発行日 | 2025年2月 |
定価 | 1,034円 |
読者のコメント
- 資本主義の負の側面をよく映し出している。一労働者として、資本家としての側面を持たなければ必要な利益を得られない世の中になっていることがわかった。がむしゃらに働いたりするだけではだめと、認識を新たにできた。(40代・男性)
- 賃金が上げられなかった背景がわかって良かった。(60代・男性)
- 生産性向上ではなく、労働分配率向上が賃上げのポイントだと理解できた。(50代・男性)
著者紹介
河野龍太郎(こうの りゅうたろう)
1964年生まれ。87年、横浜国立大学経済学部卒業、住友銀行(現三井住友銀行)入行。2000年、BNPパリバ証券株式会社経済調査本部長・チーフエコノミスト、2023年より東京大学先端科学技術研究センター客員上級研究員を兼務。著書に『成長の臨界』(慶應義塾大学出版会)等。

6 2025年2月号掲載ゾーンに入る EQが導く最高パフォーマンス
あなたが、生産的な「よい日」を過ごした、と満足できる状態を「オプティマル(最適)」ゾーンという。このゾーンに簡単に入る方法を、世界的ベストセラー『EQ こころの知能指数』の著者たちが説く。カギとなるのは、自己認識、感情バランスといった「EQ(感情的知性)」能力。これを高めれば、前向きに、燃え尽きずに働ける!
著者 | ダニエル・ゴールマン、ケアリー・チャーニス |
訳者 | 櫻井祐子 |
出版社 | 日経BP・日本経済新聞出版 |
発行日 | 2024年12月 |
定価 | 2,420円 |
読者のコメント
- 仕事で重要なのはIQよりもEQである、という言葉に勇気をもらいました。EQならば自分の努力で鍛えられるように思います。(50代・男性)
- ゾーンに入れたら公私とも充実するだろうな、と思っただけで行動に移せていない。今日こそやろう。(40代・女性)
著者紹介
Daniel Goleman
国際的に著名な心理学者、ジャーナリスト。1995年に出版した『EQ こころの知能指数』は40カ国語に翻訳され、多くの国でベストセラーになった。
Cary Cherniss
ラトガース大学応用心理学名誉教授。1972年イェール大学で博士号(心理学)取得。

7 2025年2月号掲載ミネルバ式 最先端リーダーシップ 不確実な時代に成果を出し続けるリーダーの18の思考習慣
世界最難関の大学として注目を集める、米ミネルバ大学。そのミネルバが掲げる最先端のリーダーシップが、本書で紹介される「適応型リーダーシップ」だ。先の見えない今日、日々生まれてくる課題は適応することなしには解決できない。そのための実践的な知恵、成果を出すためのリーダーシップのエッセンスをまとめた1冊。
著者 | 黒川公晴 |
出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
発行日 | 2024年11月 |
定価 | 2,750円 |
読者のコメント
- 適応型リーダーシップはまさしく今目指している姿だった。(男性)
- 傾聴×行動に留意すべきと教えてもらった。(50代・男性)
- リーダーシップに必要なものが俯瞰的に学べてよかった。(40代・男性)
著者紹介
黒川公晴(くろかわ きみはる)
1983年生まれ。2006年外務省入省。2018年独立。以降、コンサルタントとして国内外の企業の組織・人材開発を支援。2021年からは米国ミネルバと事業提携し、日本企業向けのリーダーシップ開発プログラム「Managing Complexity」を展開。

8 2025年6月号掲載日本型組織のドミノ崩壊はなぜ始まったか
近頃、日本の組織がおかしい!? ダイハツの認証試験での不正、自民党の裏金づくり。その他、著名な組織が問題を起こしている。なぜか? それは、いずれも本来、「目的集団」である組織が、「共同体」でもあったからだと、本書はいう。この日本型組織を、組織論研究の第一人者が徹底分析。崩壊の原因を明らかにし、警鐘を鳴らす。
著者 | 太田 肇 |
出版社 | 集英社(集英社新書) |
発行日 | 2025年3月 |
定価 | 1,012円 |
読者のコメント
- 日本の会社は昔から村的な、基礎集団としての側面があり、目的集団だけの側面ではとらえられない、という点が一番印象に残った。会社人間を貫くよりは、家庭を大事にするなど、職場が目的的な組織であることを再認識すべきだと感じた。(40代・男性)
著者紹介
太田 肇(おおた はじめ)
経済学博士。同志社大学政策学部教授。組織論・日本人論の第一人者として、著作は約40冊、メディア出演や講演など幅広く活躍している。著書に『「自営型」で働く時代――ジョブ型雇用はもう古い!』『何もしないほうが得な日本 社会に広がる「消極的利己主義」の構造』『「ネコ型」人間の時代 直感こそAIに勝る』『同調圧力の正体』『「承認欲求」の呪縛』など。

9 2025年4月号掲載ニセコ化するニッポン
近年、北海道のスキーリゾート・ニセコに、外国人富裕層が押し寄せている。1泊170万円のホテル、看板の多くが英語など、街の姿は日本とは思えない。その名を冠した「ニセコ化」とは、「選択と集中」によって、その場所が「テーマパーク」のような別世界になること。今、日本全体で起きているこの現象を、具体例とともに紹介する。
著者 | 谷頭和希 |
出版社 | KADOKAWA |
発行日 | 2025年1月 |
定価 | 1,650円 |
読者のコメント
- インバウンド観光は単に流行で取り入れてもうまくいかず、確固とした戦略をもつ必要があることをおしえてくれます。(50代・男性)
- このところのインバウンド観光ブームの中で感じた日本のテーマパーク化をよく捉えた本だと思う。(40代・男性)
著者紹介
谷頭和希(たにがしら かずき)
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした取材・執筆等を精力的に行う。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、様々なメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)など。また、講演やメディア露出も多い。

10 2025年2月号掲載イノベーションの科学
「創造的破壊」ともいわれるイノベーション。それは経済成長や新産業の創出など、社会に恩恵をもたらす。その一方、既存のスキルを陳腐化させ、失業する人も。どんなスキル、人が破壊されやすいのか? 破壊の打撃を和らげる方策とは? 産業革命などの歴史的事例も織り交ぜながら、イノベーションとの向き合い方を考える。
著者 | 清水 洋 |
出版社 | 中央公論新社(中公新書) |
発行日 | 2024年11月 |
定価 | 1,012円 |
読者のコメント
- 「創造する人・破壊される人」という副題から、イノベーションに限らず、例えば、解雇規制緩和による人財流動化や技術革新など、一見耳障りのよい言葉をいかに自分が「都合のよい方の立場(破壊される人とは反対の立場)」でとらえていたかよくわかり、改めて「相手の立場を慮る大切さ」を痛感した。その一方で、イノベーションとは目的ではなく、人々に挑戦を促し、より多くの希望をもたらす手段ではないか、とも考えた。なお、イノベーションは、狙って起こせるものではなく、上記過程で結果的に得られるものととらえている。(40代・男性)
- イノベーションと一言ではかたづけられない奥深さを教えてくれています。(70代・男性)
著者紹介
清水 洋(しみず ひろし)
1973年生まれ。1999年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。2002年ノースウェスタン大学大学院歴史学研究科修士課程修了。2007年ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス・アンド・ポリティカルサイエンス(Ph.D)。一橋大学大学院イノベーション研究センター専任講師、准教授、教授を経て、2019年より早稲田大学商学学術院教授。著書に『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション』(有斐閣、第59回日経・経済図書文化賞、第33回高宮賞受賞)、『野生化するイノベーション』(新潮社)など。
2025年上半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。
【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2025年1月号~6月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。
2025年上半期
『TOPPOINT大賞』
書店フェアのお知らせ
2025/7/25
本賞の決定に伴い、丸善ジュンク堂書店・文教堂・未来屋書店の主要大型店46店舗にて「TOPPOINT大賞受賞書籍フェア」を開催いたします。フェアでは、ベスト10冊に選ばれた各書籍を、その書籍の読みどころや読者のコメントを記したPOPと並べて展開。また、本賞の概要を紹介した小冊子(無料)も配布します。開催期間は、8月1日(金)より1ヶ月間の予定です。
開催店舗は下記のとおりです。ぜひお立ち寄りください。
開催店舗
丸善ジュンク堂書店
文教堂
前回のフェアの様子(2024年下半期)
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ジュンク堂書店 池袋本店 -
ジュンク堂書店 名古屋栄店 -
丸善 仙台アエル店 -
文教堂 赤羽店 -
ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店 -
丸善 京都本店 -
未来屋書店 レイクタウン店 -
ジュンク堂書店 福岡店