2022年上半期
TOPPOINT大賞を
発表いたします。
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2022年1月号~6月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2022年上半期「TOPPOINT大賞」(第36回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
TOPPOINT大賞
受賞書籍ランキング
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大賞成しとげる力 (永守重信 / サンマーク出版)
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21日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書 (藤尾秀昭(監修) / 致知出版社)
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3LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2) 100年時代の行動戦略 (アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン / 東洋経済新報社)
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4エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する (グレッグ・マキューン / かんき出版)
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5永守流 経営とお金の原則 (永守重信 / 日経BP)
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6日本が先進国から脱落する日 (野口悠紀雄 / プレジデント社)
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7AI監獄ウイグル (ジェフリー・ケイン / 新潮社)
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8BCGが読む経営の論点2022 (ボストン コンサルティング グループ(編) / 日経BP)
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9人はどう死ぬのか (久坂部 羊 / 講談社(講談社現代新書))
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10メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」 (岡嶋裕史 / 光文社(光文社新書))
読者のコメント
- コロナ禍という百年に1度の逆風でも、成長を果たせない経営者を切り、復帰する永守氏の経営執念を感じさせる。数多の「プロ経営者」に読んで欲しい一冊。(男性)
- 圧倒的な経営マインド・メンタリティ・成長意欲。常人には真似できないレベルとも感じるが、現実にこのレベルを体現している人がいるという事実が自身の背筋を伸ばしてくれる。(50代・男性)
- 永守氏と御母堂のエピソードを読んで合点がいった。永守氏がなぜ「一番」に拘るのか、成長を追い求めるのか、生い立ちや考え方を知ることで腹落ちした。(60代・男性)
- 創業50年という期間で2兆円を超えるものづくり製造業を築かれた、圧倒的な実績に裏付けられた永守氏の経営哲学は誰もが共感するところで、学びが大きい!(50代・男性) もっと見る
受賞に寄せて
- この度は「成しとげる力」を栄誉ある賞にお選びいただき、恂に有難うございました。
本書は、私が創業した日本電産が50周年を迎えるのを機に、経営者として持ち続けている人生哲学を改めて纏めた書籍です。創業時に掲げた三大精神の一つである「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」など私の考え方の根幹を成すものを社内で再徹底したいと考えたのが本書を綴ったきっかけですが、世の中でも、大きな夢を描き、成しとげようとするような気運が失われつつあるのではないかと思い、それを世に問いたいと考えたものです。
読者の皆様が人生の中で成しとげようとされている何かに、本書が僅かでもお役に立つのであれば、これほどの喜びはございません。
著者紹介
2 2022年5月号掲載1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書
人生で真剣勝負した人の言葉は、詩人の言葉のように光る ―― 。五木寛之氏や米長邦雄氏、幸田露伴氏、森信三氏など、一流の人物365名が人生の哲学や生き方について語った言葉を編纂。1日1話、1年で読み切れる人生論集としてまとめた。書名の通り、詩人の言葉のように光る金言の数々が、読む人の心を奮い立たせてくれる。
著者 | 藤尾秀昭(監修) |
出版社 | 致知出版社 |
発行日 | 2022年3月 |
定価 | 2,585円 |
読者のコメント
- ●一日を通して上手くいかなかった時や落ち込んでいる時には、勇気と元気を与えてくれ、調子の良かった時は、謙虚になる気持ちを呼び起こしてくれる言葉の数々でした。第一弾同様心に刺さりました。(50代・男性)
- ●各分野の一流の方の話で、示唆に富み、心に沁みる内容である。友人や知人に紹介したい書籍である。(60代・男性)
- ●すべての記事が、一切の創作がない本物ばかりであり、まさに生き方の道標になります。(男性)
著者紹介
藤尾秀昭(ふじお ひであき)
昭和53年の創刊以来、月刊誌『致知』の編集に携わる。54年に編集長に就任。平成4年に致知出版社代表取締役社長に就任。現在、代表取締役社長兼主幹。主な著書に『小さな人生論1~5』『小さな修養論1~5』(致知出版社)などがある。
3 2022年1月号掲載LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2) 100年時代の行動戦略
人生100年時代を、どう生き、働くか。迫り来る長寿社会の人生のビジョンを示し、好評を得た『LIFE SHIFT』の実践編だ。長寿化に伴い、職業人生も長くなる。若者と高齢者の人口比が変わる中、世代間の関係も軋み始めた。この様変わりしつつある世界で、良き未来をつくるための生き方を、経済学と心理学の専門家が指南する。
著者 | アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン |
訳者 | 池村千秋 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
発行日 | 2021年11月 |
定価 | 1,980円 |
読者のコメント
- ●人生100年時代と言われる昨今、これからの長い道程の人の生き方を示してくれている。(70代・男性)
- ●現在、日本人の100歳以上人数が8万人を超えている。未来の日本人の長寿化は確実で、従来の人生に関する考え方が大きく変わることについて気づかされた。どのように生きていくか、指標になる一冊。(50代・男性)
- ●更に加速する現代に提言してくれたおかげで今私も生き方を再度見直すことができている。(40代)
著者紹介
Andrew J. Scott
ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授。著書に『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(リンダ・グラットンとの共著)がある。
Lynda Gratton
ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。
4 2022年3月号掲載エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する
「エフォートレス思考」とは、頑張らないで結果を出す方法のこと。これを身につければ、最小の努力で最大の成果をあげることが可能になる。やる気はあるのに成果が出ない、疲れるばかりで前に進めない…。そんな悩みを抱えた現代人に、「力を抜く」ことの大切さを説く。全米ベストセラー『エッセンシャル思考』の第2弾。
著者 | グレッグ・マキューン |
訳者 | 高橋璃子 |
出版社 | かんき出版 |
発行日 | 2021年12月 |
定価 | 1,760円 |
読者のコメント
- ●前著「エッセンシャル思考」は良書だと思っていたが、「実践は困難だ」とも感じていた。その点を解消してくれる内容であった。(50代・男性)
- ●自分が今任されている組織の今期の方針として、エフォートレス思考が非常に参考になった。努力と根性ではなく、もっと楽に最大の成果を出すという考え方そのものが、20代から30代前半に、共感を得られやすいと感じている。実際に自組織でも賛同者が多い。(女性)
著者紹介
Greg Mckeown
McKeown Inc.のCEO。アドビ、アップル、グーグル、フェイスブック、ピクサーなど名だたる企業のコンサルティングをおこなう。著書『エッセンシャル思考』は全米ベストセラーとなった。
5 2022年3月号掲載永守流 経営とお金の原則
緻密で揺るぎない財務の戦略、原則があってこそ、企業は成長できる! こう指摘する日本電産の創業者・永守重信氏が、半世紀にわたる企業経営を通して会得した“経営とお金の原則”を披露。キャッシュの重要性から、取引先の見極め方、M&A成功の秘訣まで。実践的な知識やノウハウが、具体的なエピソードを交え語られる。
著者 | 永守重信 |
出版社 | 日経BP |
発行日 | 2022年1月 |
定価 | 1,760円 |
読者のコメント
- ●企業価値の源泉はキャッシュであり、組織に徹底したコスト意識を浸透させるべきである。(70代・男性)
- ●分かりやすい「ゴミ箱に3割以上使えるものが有ったら、コスト意識を徹底するだけで黒字化出来る」コスト意識の大事さ判る(50代・男性)
- ●『成しとげる力』に加えて、経営に極めて重要なキャッシュに焦点を当てての経験談は学びが大きい!(50代・男性)
著者紹介
永守重信(ながもり しげのぶ)
1944年京都生まれ。73年、日本電産株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。80年代から国内外で積極的なM&A戦略を展開し、「世界No.1のモーターメーカー」に育て上げた。代表取締役会長兼社長(CEO)、代表取締役会長(CEO)を経て、2021年より代表取締役会長。
6 2022年5月号掲載日本が先進国から脱落する日
他の先進国に比べ、物価や賃金が低い日本。このままだと、日本の1人あたりGDPはOECD平均を下回り、「先進国」から脱落しかねない、と経済学者の野口悠紀雄氏が警鐘を鳴らす。長期停滞の元凶は、アベノミクスの円安政策にあると指摘し、その金融政策を検証。問題点を掘り下げ、復活するために今、何をすべきかを述べる。
著者 | 野口悠紀雄 |
出版社 | プレジデント社 |
発行日 | 2022年3月 |
定価 | 1,870円 |
読者のコメント
- ●30年間、無策で低落に安住する無気力な日本人への具体的な指揮と提言。
- ●まさに今日本が直面している状況を表現されていると感じた。円安によるドル評価での賃金評価をしてこなかった事や、今起こっている値上げラッシュの先行きはどうなるのかと感じさせられた。(50代・男性)
著者紹介
野口悠紀雄(のぐち ゆきお)
1940年生まれ。経済学博士。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。
7 2022年4月号掲載AI監獄ウイグル
「脳からウイルスを取り除いて、正常な精神を回復させる」。中国の新疆ウイグル自治区では、中国政府がAIと監視テクノロジーを駆使し、少数民族を徹底的に弾圧している。スマホのハッキング、IDカードのスキャン、そして劣悪な強制収容所。世界が知らない、ウイグルの恐るべき実態を、調査報道ジャーナリストが報告する。
著者 | ジェフリー・ケイン |
訳者 | 濱野大道 |
出版社 | 新潮社 |
発行日 | 2022年1月 |
定価 | 2,420円 |
読者のコメント
- ●何の制約もなくITを使う恐ろしさを知れた。また、リスクを顧みず中国に進出したテック企業の責任はどうなんだろうかと。うっすらと知っていたウイグルをきちんと知れ、個人的には消費者活動がかわりました(40代・男性)
- ●仲間同士で監視させるなど、絶句。共産・社会主義って何でこうなるのだろうか…(男性)
著者紹介
Geoffrey Cain
アメリカ人の調査報道ジャーナリスト/テックライター。アジアと中東地域を取材し、エコノミスト誌、タイム誌など多数の雑誌・新聞に寄稿。
8 2022年2月号掲載BCGが読む経営の論点2022
コロナ禍で、これからの企業経営に大きな影響を与えるパラダイムシフトが生じている ―― 。BCG(ボストン コンサルティング グループ)が、コロナ後を見据えて日本企業がとるべき戦略的アクションを提示する。人々の行動様式の変容、高まる地政学リスク…。事業環境の変化の本質を理解し、対応を考える上で参考になる1冊だ。
著者 | ボストン コンサルティング グループ(編) |
出版社 | 日経BP |
発行日 | 2021年11月 |
定価 | 1,760円 |
読者のコメント
- ●事業環境の変化の全体観・概要を捉える上で、事項が整理されていて理解が進んだ。(50代・男性)
- ●アフターコロナ後の方向性と、それによる企業経営のパラダイム変化に如何に対応するかと、非常に参考になる(70代・男性)
著者紹介
ボストン コンサルティング グループ(BCG)
1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設される。ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいる。
9 2022年6月号掲載人はどう死ぬのか
「死」は必ずやってくる。自分にも、家族にも。この時、悔いを残さないためには? 在宅診療医として様々な死を見届けてきた著者が、死の実際について語った。健康増進に努めた人ほど老いの苦しみを抱える。高度な治療は受けない方がいい…。上手な最期を迎えるために知っておくべきことが説かれた「死に方」の教科書だ。
著者 | 久坂部 羊 |
出版社 | 講談社(講談社現代新書) |
発行日 | 2022年3月 |
定価 | 990円 |
読者のコメント
- ●上手な最期を迎える方法が書かれているため。アドバンス・ケア・プランニングが参考になった。(60代・男性)
- ●人間の病において、治療の是非を問う内容。人生の生存と寿命を考えさせられた。(男性)
著者紹介
久坂部 羊(くさかべ よう)
1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)で麻酔科医、神戸掖済会病院で一般外科医、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(幻冬舎)で2003年に作家デビュー。2014年『悪医』(朝日新聞出版)で第3回日本医療小説大賞を受賞。小説以外の作品として『日本人の死に時』(幻冬舎)、『医療幻想』(筑摩書房)等がある。
10 2022年3月号掲載メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」
「メタバース」とは、ゲームやアニメなどの世界観に基づく、リアルとは違う“もう1つの世界”のこと。インターネットにおいて、SNSの次のキラーサービスといわれる。うまく使えば自分の生活を良くし、ビジネスにも活かせる。そんなメタバースの全容を、情報技術、そしてサブカルチャーをよく知る著者がわかりやすく説く。
著者 | 岡嶋裕史 |
出版社 | 光文社(光文社新書) |
発行日 | 2022年1月 |
定価 | 902円 |
読者のコメント
- ●これから避けては通れない、無視出来ない現実。勉強になりました。(60代・男性)
- ●メタバースの本質をえぐった書。なぜメタバースがこれほどもてはやされているのかがわかった。(50代・男性)
著者紹介
岡嶋裕史(おかじま ゆうし)
1972年生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務、関東学院大学経済学部准教授・情報科学センター所長を経て、現在、中央大学国際情報学部教授。『ポスト・モバイル』(新潮社)、『思考からの逃走』(日本経済新聞出版)、『ブロックチェーン』(講談社)など著書多数。
2022年上半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。
【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2022年1月号~6月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。