2023年下半期
TOPPOINT大賞を
発表いたします。
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2023年7月号~12月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2023年下半期「TOPPOINT大賞」(第39回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
TOPPOINT大賞
受賞書籍ランキング
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大賞2050年の世界 ――見えない未来の考え方 (ヘイミシュ・マクレイ / 日経BP・日本経済新聞出版)
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2グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない (ロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ / 辰巳出版)
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3CFO思考 ――日本企業最大の「欠落」とその処方箋 (徳成旨亮 / ダイヤモンド社)
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4教養を磨く 宇宙論、歴史観から、話術、人間力まで (田坂広志 / 光文社(光文社新書))
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5科学と資本主義の未来 〈せめぎ合いの時代〉を超えて (広井良典 / 東洋経済新報社)
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6JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則 (ニック・マジューリ / ダイヤモンド社)
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7消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測 (博報堂生活総合研究所 / 集英社インターナショナル(インターナショナル新書))
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8インド ―グローバル・サウスの超大国 (近藤正規 / 中央公論新社(中公新書))
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9理念経営2.0 ――会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ (佐宗邦威 / ダイヤモンド社)
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10資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか (ナンシー・フレイザー / 筑摩書房(ちくま新書))
読者のコメント
- 30年前、今の世界を人間はどこまで想像できていたか。そう考えると、未来は今予想できないことがたくさんあるのではないか。では読む意味はないのか。そうとも言えない。可能性のある出来事を少しでも知っておくと、未来のイメージがわく。この手の本はそんな気持ちで読んでいる。(60代・男性)
- この本は書店でもよく見かけ、TOPPOINTでも紹介されていた。取り立てて目新しい予測が入っているわけではないが、世界全体の流れが理解できるような構成となっておりとても腹落ちする内容だった。(30代・男性)
- 30年後には60代になっているが、仕事がどうなるのか不安に思う。2050年のこの本の前向きな考え方を支持します。(30代・男性)
- 変化をもたらす5つの力のうち、資源と環境のリスクが一番気になった。資源の奪い合いになれば、環境問題がそっちのけになることがウクライナのことでよくわかったから。(60代・男性) もっと見る
編集担当者コメント
- この度は栄えある「TOPPOINT大賞」に『2050年の世界』をご選出いただき、深く御礼申し上げます。
2050年の世界はどんな様相を呈しているでしょうか? この本では欧州を代表するジャーナリストのヘイミシュ・マクレイ氏が、膨大なファクトと深い洞察をもとに、人口動態、エネルギーと環境、ビジネスと経済、テクノロジー、民主主義という5つの要素から、私たちが知りたいその先の未来を大胆に予測します。
数多の未来予測系の本が悲観的な未来を示しているのに対し、本書は一貫してポジティブな未来像を示していることが最大の特徴です。
ビジネスや投資などの観点で30年後の世界の動きを知りたい方、日本の未来像に関心のある方、そして自分の将来を真剣に考えたい若い方にも、是非ご活用いただきたい一冊です。
日経BP 宮崎志乃
著者紹介
2 2023年9月号掲載グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない
幸せな人生。それは、社会的成功をつかんだ先にあるのではない。お金で得られるものでもない。ハーバード大学の80余年にわたる科学的研究によれば、幸福の決め手は「よい人間関係」。自分をとりまく人間関係を把握し、大切な人とよい関係を築くことだという。本書は、その重要性を説き、具体的な方法をアドバイスする。
著者 | ロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ |
訳者 | 児島 修 |
出版社 | 辰巳出版 |
発行日 | 2023年6月 |
定価 | 1,870円 |
読者のコメント
- ●「注意」は人間がもつ最も価値ある資産だ。目から鱗でした。物でも金でもない。 (40代・男性)
- ●幸せという哲学的なテーマに膨大のデータという型で証明するという非常に面白い内容。(50代・男性)
- ●「注意と気配り」を子育て、仕事、あらゆる場面で意識するようになった。(30代・男性)
- ●あらためて人との繋がりを考えさせられた。(60代・男性)
著者紹介
Robert Waldinger
ハーバード大学医学大学院・精神医学教授。マサチューセッツ総合病院を拠点とするハーバード成人発達研究の現責任者。
Marc Schulz
ハーバード成人発達研究の副責任者であり、ブリンマー大学心理学教授でもある。
3 2023年8月号掲載CFO思考 ――日本企業最大の「欠落」とその処方箋
CFO(最高財務責任者)は、単なる金庫番ではない。企業成長のエンジンとなるべき存在だ ―― 。世界の投資家から4年連続「ベストCFO」に選出された著者が、CFOに求められる思考の真髄を解説。潰れもしないが、成長もしない。日本企業がそんな安定偏重の経営から脱し、自社を変革するためのヒントを、自らの経験を交え語る。
著者 | 徳成旨亮 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
発行日 | 2023年6月 |
定価 | 1,980円 |
読者のコメント
- ●企業と市場やステークホルダーとの対話の責任を担うCFOの広範な役割を初めて知り勉強になりました。メディアではCEOやCTO(のカリスマ性)に注目が集まりがちだと思いますが株式会社は資金調達必至、単なる財務畑出身役員という以上のCFOの活動を知れて良かったです。(女性)
- ●日本型CFOと世界型CFOの違いがハッキリした事と、やるべきコトが何かがハッキリしました。(40代・男性)
著者紹介
徳成旨亮(とくなり むねあき)
ニコン取締役専務執行役員CFO。慶應義塾大学卒業。ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン・スクール) Advanced Management Program for Overseas Bankers修了。三菱UFJフィナンシャル・グループCFO(最高財務責任者)などを経て現職。日本IR協議会元理事。
4 2023年9月号掲載教養を磨く 宇宙論、歴史観から、話術、人間力まで
「書物を通じて学んだ、様々な専門分野の、該博な知識」。従来、教養はこのように理解されてきた。だが、AI革命が世界を席巻している今、そうした教養の在り方に変化が生じている。これから求められる「新たな教養」とは何か、それをいかにして磨き、深めていけばよいのか。田坂広志氏が自身の経験などを交え、縦横に語る。
著者 | 田坂広志 |
出版社 | 光文社(光文社新書) |
発行日 | 2023年7月 |
定価 | 1,012円 |
読者のコメント
- ●この方の文書力や文体等、すべてが好きだということもあるが、落ち着いて、言わんとしていることを理解しながら、読める内容である。時代と共に求められる教養も異なるが、学び、そして考える、自分自身の考えと言えるまでにその考えを高めることの重要性を改めて学んだ。(60代・男性)
- ●知らないと恥しいのではなく、知ることが楽しい、のが教養であろう(70代・男性)
- ●自分自身の新たな感性を見つめる事が出来ました。(40代・男性)
著者紹介
田坂広志(たさか ひろし)
1951年生まれ。1974年東京大学卒業。1981年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。2000年多摩大学大学院教授に就任。現名誉教授。同年シンクタンク・ソフィアバンクを設立。代表に就任。2010年世界賢人会議ブダペスト・クラブの日本代表に就任。著書は100冊余。
5 2023年7月号掲載科学と資本主義の未来 〈せめぎ合いの時代〉を超えて
“限りない成長”と“持続可能性”。今、私たちの社会は、両者の間で揺れている。これから進むべきは、どちらの道か? 著者の答えは、後者だ。そして、科学と資本主義は“車の両輪”のような形で歩んできたとし、その過去・現在・未来を俯瞰。目指すべき、環境・福祉・経済が調和した、「持続可能な福祉社会」の像を示す。
著者 | 広井良典 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
発行日 | 2023年4月 |
定価 | 2,200円 |
読者のコメント
- ●限りない成長はもはや幻想であることを多くの人に感じてもらいたい。(50代・男性)
- ●持続可能な社会へ向けての論考(70代・男性)
- ●世の中動向の切り口が参考になったから。 (男性)
- ●未来がどっちへ進むのか興味がつきない。(70代・男性)
著者紹介
広井良典(ひろい よしのり)
京都大学人と社会の未来研究院教授。東京大学・同大学大学院修士課程修了後、厚生省勤務を経て1996年より千葉大学法経学部助教授、2003年より同教授。2016年より京都大学教授。専攻は公共政策及び科学哲学。著書に『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)など多数。
6 2023年8月号掲載JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則
株式や債券などの資産を継続的に買い続ける、贅沢な買い物をする時はそれと同額の投資をする、リタイアまでに年間支出の25倍の資産を用意する…。お金を貯め、富を築く上で効果的な方法を、全米屈指のデータサイエンティストが紹介。投資初心者からベテランまで、多くの人に役立つ、実践的なアドバイスが満載の1冊だ。
著者 | ニック・マジューリ |
訳者 | 児島 修 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
発行日 | 2023年6月 |
定価 | 1,870円 |
読者のコメント
- ●富を築くシンプルな方法がわかりやすく書いてある。私には、遅かったが、子供達に伝えたい。(60代・男性)
- ●これまでの投資の考え方が変わった。特にデータに基づいた解説が良い。(60代・男性)
著者紹介
Nick Maggiulli
Ritholtz Wealth Management社の最高執行責任者兼データサイエンティスト。スタンフォード大学卒(経済学学位)。
7 2023年10月号掲載消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測
今や若者と高齢者の意識や価値観はそれほど変わらない!? 博報堂生活総合研究所の30年におよぶ調査で、年齢による違いが小さくなること、すなわち「消齢化」の傾向が確認された。生き方しかり、家族観しかり、消費意識しかり。本書はこうした変化の背景を分析するとともに、消齢化がさらに進んだ未来の社会を予測する。
著者 | 博報堂生活総合研究所 |
出版社 | 集英社インターナショナル(インターナショナル新書) |
発行日 | 2023年8月 |
定価 | 968円 |
読者のコメント
- ●マーケティングでもマネジメントでも「違い」に着目して戦術を組み立てることが多い中で、日本社会において代表的な違いの一つである年齢による違いが失われつつあるという洞察が面白い。違いがなくなることで失われるもの、得られるものについて改めて考えてみたい。(40代・男性)
著者紹介
博報堂生活総合研究所
博報堂の企業哲学「生活者発想」を具現化するために1981年に設立されたシンクタンク。人間を、単なる消費者としてではなく「生活する主体」という意味で捉え、その意識と行動を研究している。
8 2023年12月号掲載インド ―グローバル・サウスの超大国
近年、国際的に存在感を増す“新興国の盟主”、インド。人口は中国を抜いて世界一、GDPは英仏をしのぎ世界5位。そして、非同盟中立の外交。もはや、この国を抜きに国際政治は語れない。そんな“最注目国家”を、インド経済研究の第一人者が分析した。宗教や経済、外交、格差の問題等々、同国を知るための情報が満載だ。
著者 | 近藤正規 |
出版社 | 中央公論新社(中公新書) |
発行日 | 2023年9月 |
定価 | 1,078円 |
読者のコメント
- ●IT関連でインドの方が日本オフィスに来るようになり身近な存在になってきているのだが、インドのことをあまりよく分かっていないことに気づく。そのような折に本書を読む機会があり、カルチャーや宗教、複雑な民族問題の一端を知ることができたように思う。彼らとの交流の一助になるのではないかと感じた。(40代・女性)
著者紹介
近藤正規(こんどう まさのり)
1961年生。アジア開発銀行、世界銀行にてインドを担当した後、1998年より国際基督教大学教養学部助教授。現在、国際基督教大学教養学部上級准教授。2006年よりインド経済研究所主任客員研究員を兼務。そのほかに21世紀日印賢人委員会委員、日印共同研究会委員、日印協会理事などを歴任。東京大学学士、ロンドン大学修士、スタンフォード大学博士。専門はインド経済、開発経済学。
9 2023年7月号掲載理念経営2.0 ――会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ
これからの企業において、“理念”は経営資源の核となる ―― 。周りをワクワクさせるビジョン、組織が協働するカギとなるバリュー、自社の存在意義を明確化したミッション。企業の価値が「利益」よりも「意義」で測られるようになりつつある昨今、これらの理念をいかにしてつくるか。戦略デザイナーがその具体策を詳述する。
著者 | 佐宗邦威 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
発行日 | 2023年5月 |
定価 | 2,420円 |
読者のコメント
- ●起業の際のみならず、どの企業も経営理念を考え直すのは重要と認識させられた。(60代・男性)
- ●経営のコアリソースであるミッション、ビジョン、バリューについて再認識できた。(50代・男性)
著者紹介
佐宗邦威(さそう くにたけ)
株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー。多摩美術大学 特任准教授。P&G、ソニーを経て、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を創業。
10 2023年11月号掲載資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか
パンデミック、異常気象、不安定な仕事…。今日、世界は様々な危機に直面している。それらの根源にあるのは、“カニバル(共喰い)資本主義”だ! 自然や社会、政治など、人間を支える土台を貪り喰い、その結果自身の存続まで危うくしている資本主義。世界に破局をもたらしかねないこの社会システムに、世界的政治学者が警鐘を鳴らす。
著者 | ナンシー・フレイザー |
訳者 | 江口泰子 |
出版社 | 筑摩書房(ちくま新書) |
発行日 | 2023年8月 |
定価 | 1,210円 |
読者のコメント
- ●伝統的な日系大企業で働いている中で資本主義やコスパ重視の社会の限界を感じていましたが、この本で改めて世界的な現象だと認識しました。AI時代こそ共感や利他など人間らしい文化に生きたいです。(女性)
- ●男性視点でないことが重要だと認識させられる一冊(50代・男性)
著者紹介
Nancy Fraser
1947年生まれ。アメリカの政治学者。ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの政治・社会科学教授。
2023年下半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。
【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2023年7月号~12月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。
2023年下半期
『TOPPOINT大賞』
書店フェアのお知らせ
2024/1/25
本賞の決定に伴い、丸善ジュンク堂書店・文教堂・未来屋書店の主要大型店50店舗にて「TOPPOINT大賞受賞書籍フェア」を開催いたします。フェアでは、ベスト10冊に選ばれた各書籍を、その書籍の読みどころや読者のコメントを記したPOPと並べて展開。また、本賞の概要を紹介した小冊子(無料)も配布します。開催期間は、2月1日(木)より1ヶ月間の予定です。
開催店舗は下記のとおりです。ぜひお立ち寄りください。