2010年1月号掲載

衝撃!EUパワー 世界最大「超国家」の誕生

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著者紹介

概要

現在、EU(欧州連合)には27カ国が加盟する。域内の人口は約5億、GDPは約18兆ドル。ともに米国を抜き、世界最大の経済圏となった。エコノミストの多くが21世紀は米中2国が世界を2分すると予想する中、「21世紀はEUの時代になる」と言う大前研一氏が、この連邦スタイルの巨大国家の実体を詳細に報告する。もはやEUを知らずして、世界経済は語れない!

要約

拡大を続けるEU

 1993年のマーストリヒト条約発効によって誕生したEU(欧州連合)は、2002年をもって統一通貨ユーロを流通させ始めた。

 EUにはすでに議会もあり、軍隊も北大西洋条約機構(NATO)で統一されている。欧州憲法の批准も進められ、近く大統領も選出される見込みだ。

 つまりEUは、憲法、軍隊、通貨という国家の定義の根幹をなす3つの要素を全て備えている。

 そうであれば、EUを「国家」と見なしていけない理由はない。

 ただし、それは19世紀的な意味の国民国家ではない。多くの民族と言語を内包し、各地域が大きな自治権限を持つ、連邦スタイルの巨大国家だ。

 いわば「超国家」ともいうべき存在、それがEUである。

人口、GDPで米国を抜き、拡大を続けるEU

 当初12カ国で始まったEUは、07年1月に27カ国となった。また、09年現在、旧ユーゴスラビア諸国、トルコが加盟交渉中となっている。

 通貨としてユーロを採用している加盟国は16カ国。この16カ国のみでほぼ米国と人口が並び、EU27カ国では、米国の実に1.6倍にもなる。

 EUは当初、経済先進国による共同体だった。それがドイツに比べて賃金水準が10分の1しかないルーマニアやブルガリアを加盟させ、今またバルカン諸国を加盟させようとしている。

 ルーマニア、ブルガリア両国の加盟だけで、EUには補助金として5年間に数兆円の財政負担が発生する。EUにとって、そうまでして東欧諸国を取り込むことのメリットは何か?

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